研究課題/領域番号 |
20H01500
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構 (2021-2022) 国際医療福祉大学 (2020) |
研究代表者 |
稲垣 誠一 公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構, 研究部, 主任研究員 (30526380)
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研究分担者 |
山田 篤裕 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (10348857)
高山 憲之 公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構, 研究部, 理事長 (30102940)
村田 忠彦 関西大学, 総合情報学部, 教授 (30296082)
小塩 隆士 一橋大学, 経済研究所, 教授 (50268132)
原田 拓弥 芝浦工業大学, システム理工学部, 助教 (70847201)
中田 光紀 国際医療福祉大学, 医学研究科, 教授 (80333384)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | マイクロシミュレーション / 年金 / 生活保護 / 高齢者雇用 / 合成人口 |
研究開始時の研究の概要 |
公的年金制度の給付の十分性を確認するために、モデル世帯が受給する年金額(所得代替率)の将来見通しだけではなく、さまざまな高齢者が受給する年金額の分布や貧困率の将来見通しを示す。具体的には、①ダイナミック・マイクロシミュレーションモデルを構築して「分布」の政策シミュレーションを実施するとともに、②このモデルを多くの研究者が広く活用できるよう、国勢調査等の集計データをもとにした合成人口データの作成・公開を実施する。
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研究実績の概要 |
今年度は、新型コロナウイルス感染症が経済社会や人々の行動に及ぼしている影響の分析を集中的に行った。これは、将来の高齢者の生活も新型コロナの影響を大きく受けることが想定されるため、当面の影響だけでなく、将来に残る影響についても十分な検討が必要不可欠だからである。 まず、これまでに、多くの研究成果が報告されていることから、それらの文献調査を行って、重要な論点や量的な影響などを可能な限り明らかにした。ただし、依然として新型コロナが終息しておらず、今後報告される様々な研究成果についても継続して調査していく必要がある。 次いで、人々の就業行動や賃金・賞与への影響を定量的に明らかにするため、新たな統計調査「年金加入履歴に基づく新型コロナウイルス感染症の影響調査」を実施した。具体的には、年金の加入記録を調査することによって、この数年間の賃金・賞与の正確な金額を調査し、新型コロナ前後で、どのような変化があったかを明らかにした。1月に調査が終わったばかりであり、暫定的な集計結果しか得られていないが、賃金や賞与、雇用への影響も深刻であったことが改めて明らかになった。 一方、新型コロナ後の政策評価の基準となるベースライン・シミュレーションに向けて、年金制度改正の検討状況・問題点や対応策などについてレビューするとともに、年金財政への影響、低年金対策としてみたときの費用対効果など定量的に明らかにした。さらに、それらを踏まえて、モデルの中の年金シミュレーション部分に関する設計の見直しの検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、前年度までに開発したモデルをさらに精査改良し、新型コロナの影響を考慮したベースライン・シミュレーションを実施するとともに、その影響を明らかにして、効果的な政策対応を検討する予定であった。しかしながら、新型コロナは依然として終息しておらず、まだ将来を十分に見通せる状況にないため、「年金加入履歴に基づく新型コロナウイルス感染症の影響調査」を実施して、この2年間の影響を詳細に分析することとした。 一方、ある程度将来が見通せる状況になったときに短時間でシミュレーション分析ができるよう、モデルの設計の見直しなどは並行的に進めている。また、政策課題(老後資金2000万円問題、氷河期世代の老後問題、高齢シングル女性の貧困化など)に対応するための経済政策(年金制度改正、雇用政策、投資教育など)についても、文献調査や定性的な分析を進めており、新型コロナの影響によって遅れが生じているものの、全面的に遅れが生じているわけでない。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染拡大の初期値人口と遷移確率への影響の分析・評価の実施、その分析結果を踏まえたデータのアップデートが、当初予想できなかった大きな課題である。また、この感染拡大の影響を緩和するため、終息後の新たな政策提案も行われることが想定される。これらを本研究に取り込んでいくことは必要不可欠であり、研究のボリュームが大きくなることは避けられないが、特に重要なものに絞り込んで研究を進めていく方針である。 また、今年度実施した「年金加入履歴に基づく新型コロナウイルス感染症の影響調査」について、研究チーム総力を挙げて詳細に分析・評価し、今後の政策の企画立案に活用できる、感染拡大の影響を織り込んだシミュレーションに取り組んでいく。
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